但馬牛とは兵庫県産の黒毛和牛のうち、一定の格付けをクリアした牛肉について許される呼称です。
もともと但馬牛は兵庫県の但馬地方で物資の運搬や田畑を耕すために古来から飼育されてきました。
明治時代に神戸に住む外国人達が但馬牛を食べ始め、のちに日本人の間に食肉文化が広がるにつれ食肉用としての但馬牛の知名度も上がっていきました。
また、その頃には食肉に適した品種にするため、海外産の牛と交配し品種改良が試みられました。
しかし、かえって肉質が悪くなるなどの弊害がみられたため、海外種の血統が入った牛は次第に排除されていきました。
非常に肉質の良い但馬牛はヒレステーキなどで有名な松坂牛や近江牛の素牛(食肉として育てる仔牛)となっています。
また、但馬牛の血筋を入れることで品種改良している地域ブランド牛もあります。
そのため、日本の和牛の85%以上が但馬牛の系統とも言われています。
但馬牛の特徴は「サシ」と呼ばれる脂肪部分と筋繊維の細やかさです。
この「サシ」が細かいほどまろやかさが増し、甘味のある上質な牛肉となります。
赤身肉であるヒレにも、適度なサシの入った但馬牛は高級牛として人気があり、ステーキやヒレカツなど多くのレシピで親しまれています。