但馬牛の伝説が「古事記」「日本書紀」に登場します。
神話の中では、神であるアメノヒボコが一人の男が牛を食べようとしたと思い、その男を牢屋へ入れようとしました。
男は牢屋に入れられないよう、持ち歩いていた赤い玉をアメノヒボコへ渡します。
それをアメノヒボコは持ち帰り、男を許します。
その後、赤い玉は美しい娘へと変わり、アメノヒボコは娘を妻としました。
ある日、アメノヒボコは妻を罵り、妻は日本へ、アメノヒボコも妻の元へ行くことになります。
途中の難破で日本ではなく但馬国に定着することになったアメノヒボコは、そこで前津見と結婚します。
但馬国では、牛(但馬牛)を飼育していたという内容の記述があります。
続日本書紀は、700年代からのおよそ100年間に渡る歴史が記述されています。
奈良時代の古い資料です。
一般的にはこのような伝説があることはあまり知られていませんが、地元では但馬国への信仰心があります。
不思議な伝説ですが、日本に但馬牛が存在していたこと、渡来に関することは事実と調和しています。
古代から多神国である日本の神話の一つですが、実際に但馬牛は古来からのとても貴重な牛で、最初は乳牛として、さらに子牛を生む牛として大切にされてきました。
伝説を知ると、また違う印象で伝統のある但馬牛を食すことができます。